吾輩は主婦である。

吾輩は主婦であるを見た。

先日も1回みて、この主人公はだれだったっけとか思い、後で、斎藤由貴さんだというのを知ってびっくり。斎藤由貴さんといえば、初代スケバン刑事でストレートロングの髪の美人で目が印象的な人で、よく見ていたなぁ。ちょっと今はぽっちゃりしていてまあ幸せなんだろうなぁとか思ったり。

で、まあなんか気になっていて、今日たまたま見る機会があってみてみた。

斎藤由貴さん扮する矢名みどりという主婦が夏目漱石に乗り移られて夏目みどりという作家になるらしい。
今日の回はやけにリアルで、まず、出版社に缶詰になって原稿を仕上げ、ゲラチェックで、誤字脱字を訂正するところ、ゲラチェックの意味がわからず本文総書き直し、その合間に喫茶店のバイトをし、家事もこなす。そして、表紙カバーの写真撮影。書評の取材。帯コピーの依頼。100冊買取。サイン会。

昔、短大の時にギターマンドリンクラブに入っていて、自分的には食後のくつろいでいるときにギターを1曲か2曲弾けるようになりたくて、勝手にそんな練習クラブだと思っていたのだが、夏休みに長野の開田村の民宿を借り切って7曲暗譜、正月明けには市民会館を借りてコンサートをすると聞いてこりゃ入るクラブを間違えたなと思った。そのときは教員免許の取得のための授業も取っていて、また自分が入った学科が週に2回くらい実験のある授業があって、珍しく月曜から土曜までみっちり授業があるような感じで、バイトする時間も無く、夏の民宿でも朝9時から夜中の2時くらいまで合同で練習、冬も学校の宿泊施設を1週間借りて、こっちも朝から夜中まで演奏し通し(こっちは直前なので鬼気迫る感じだった)何とか全曲暗譜。チケットは10枚渡されて2万円を支払い、自分で売りさばくようにと言われ、まあ売る当ても無く全部自腹。夏の終わりごろから、商店街を回って曲目パンフレットに掲載する広告をとって回り、(こっちは毎年のことなので割合皆さんすんなりOK出してくれてありがたかった)、先輩はJASRACに演奏許可を文書で取り寄せ、レコードの発注(演奏をレコードに焼いていたのだ)市民会館の予約をし、といろいろ大変だった。教職課程を取っていて自分はバイトをする時間が取れず、うちの家族もコンサートの大変さとかに理解がなくて差し入れとか援助とかまったくしてくれなかったので、悪かったのだが、1年でやめさせてもらった。やめるときにもめてレコードの代金を支払ったのだが、レコードを受け取ることができなかった。ちょっと残念。まあこれは愚痴になるけれど、なんか今日のドラマを見ていたら懐かしいやら身につまされるやら、えらい具体的な感じでちょっと記憶再生。

画面をみながら買い取った本を都内の書店に行ってこっそり目立つところに並べておいてくるんだよとつい叫んでみてしまった。

宮藤官九郎さんという人の作品はいままでテンポはあるけれど、言い回しが難しいというか、順序だっていない、昔流行った『ニュアンスしましょ』系のフィーリングで表現する人なのかなとか思って、こういうのは、同時にそこにいるっていうか、共時性っていうか、隠語っていうか、身内だけにわかる感じの言葉遣いみたいなシンクロなところがあって、シンクロできないこっちは見ていて疎外感があって、池袋ウエストゲートパークも1回か2回見ただけでちょっとついていけないなみたいな感じで挫折していたのだが、この吾輩は主婦であるは、普通に面白い。

出版社に缶詰になっているのを見て、やっぱり私は自分で企画して時間の都合もつけて楽しみながらギターなりCGなりやりたいなぁとつくづく思った。趣味で。やっぱり趣味と仕事は分けたほうがいいんだろうなぁ。